●大会長挨拶

総会ならびに学術大会を開催するにあたって

 この度、第15回日本メタルフリー歯科学会総会・学術大会主管を拝命致しました白川正順で御座います。総会ならびに学術大会を開催するにあたって、企画等、その概要についてご紹介させて頂きます。
 本学会は、最も先端的なメタルフリー歯科医療を学際的に討議する学会として2011年11月29日、日本歯科大学富士見ホールで設立総会が開催され発足致しました。当初、時流に乗った歯科の一分野として、衆目を集めたことは周知のごとくであります。その後、順調に学会運営がなされ今日に至りましたが、特にこの数年、メタルフリー治療は歯科臨床の主流となっております。
 このような現状の中、本年2月19日(月)の常任理事会において、専門医制度の本格的導入について提案がございました。その大枠は、従来の認定医だけの一階建てから、専門医、指導医を加えた三階建ての構造とし、更には、認定研修施設の設置を実現するのはどうかと言うものでした。この提案は、本学会会員の学際的育成を高め、より発展する起爆剤になることが予測されます。今後の専門医制度に則る学術教育研修の開催は必須であるため、このことを視野に入れて、本学術大会のプログラムは前向きに企画させて頂きました。
 その一環として、心身ならびに口腔の健康増進に関する知識の重要性を、広く国民に普及啓発を図るためにも、市民公開講座では歯学講座を広く開放することが求められます。今や、メタルフリー治療は国策の一環として、本年4月に改訂された、保険診療にも大きく反映されております。
 メタルフリー時代を目指してきた本学会はこのことを、いち早く、そして遍く、国民に知らせるポジションにあるかと思います。このような経緯から、多彩なテーマで市民公開講座を組んでみました。国民にメタルフリー歯科治療の有益性を認知して頂く絶好の機会であるとも考えております。
 また、先に述べたように、認定医取得あるいは更新のための、開かれた教育講演についても、新しく構想してみました。一般歯科臨床医の中には、認定医取得の道が閉ざされた仲間が多数いると聞きます。本学会では、三階建てへステップアップした制度の導入を通して格調を上げる一方で、一階部分は、誰もが気楽に入会し、しかも認定医が比較的容易に取得できる、拓かれた学術団体としての方向転換が必要ではないかと考えております。
 そのため、第15回学術大会のテーマを「遍く、広く飛翔するメタルフリ―治療の未来」とさせて頂きました。
 本学会が再編を達成してより高く飛翔するため、微力ですが丁寧に学術大会の準備を進めていく所存で御座いますので、何卒、諸兄のご指導とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
  令和6年6月10日



第15回日本メタルフリー歯科学会学術大会 大会長
白川 正順
(元 日本歯科大学口腔外科学教室第1講座主任教授)